2022年12月現在、ビットコインをはじめ仮想通貨全体の価格が下落しています。
仮想通貨を長期ホールドの場合は大打撃となりますが、価格の上昇や下落に関係なく利益を出せる方法の一つとして“アービトラージ(裁定取引)”が有名です。
アービトラージには注意しなければならない点がいくつかありますが、資産運用を行う上での一つの選択肢でもありますので、興味がある人や、これからアービトラージに挑戦してみようという方は、まずは全体の流れをよく勉強し、少額で試すところから始めてみましょう。
本記事では、そもそもアービトラージとはどうった手法なのか、なぜアービトラージは儲かるのか、アービトラージの基本的なやり方から、そこに潜むリスクまでを解説しますので、ぜひ参考にしてください。
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仮想通貨のアービトラージ(裁定取引)ってなに?
アービトラージとは、異なる取引所で生じる“価格差”を利用した取引で利益を得る方法です。
例えば、Aという取引所において1BTC=100万円で購入し、Bという取引所で1BTC=105万円で売却した場合、5万円の利益を得る事が出来ますよね。
この取引所間の“価格差”を利用した取引を繰り返す事で、法定通貨(円やドル)資産を増やす事が出来るのです。
アービトラージは、各仮想通貨取引所の価格差を利用して利益を得ますが、価格差が生じるのは、各仮想通貨取引所の”取引量“に違いがあるためです。
アービトラージで大きな利益を得る事が出来る条件は以下の3点となります。
- 仮想通貨のようにボラリティ(価格の変動)が大きい事
- 取引所によって取引量に違いがある事
- ボラリティのある相場に対してアービトラージを行なっている人が少ない事
インターネット上の情報などを見ると「絶対に儲かる」といった謳い文句も多く存在します。これは、いくつかの手順やタイミングが合えば、“理論上”では正解です。
アービトラージを利用すれば、相場の上げ下げに関わらず利益を得る事が可能であり、アービトラージを目的とした自動売買ツールなども販売されています。
アービトラージの基本的な流れ
アービトラージを実行するためには、まず以下のようなアービトラージの基本的な流れを把握しておきましょう。
- 複数の仮想通貨取引所に登録する
- 登録した仮想通貨取引所全てに法定通貨(円やドル)を入金しておく
- 複数の仮想通貨取引所のチャートを監視する
- チャート上の価格差を見つけ出す
- チャート上に価格差のあるコインについて、低価格で購入出来る方の取引所でコインを購入する
- 購入したコインを、高額で売却出来る取引所へ送金する
- 送金したコインを、購入価格よりも高額で売却する
このような手順を踏めば、複数の仮想通貨取引所のチャートを見ながら短時間に取引する事で利益を得る事が出来ます。
仮想通貨のアービトラージ(裁定取引)のやり方
少しでもタイミングを逃せば利益を得る事が出来ないどろこか、損失を出してしまう可能性もあります。
アービトラージのやり方としては、大きく2つの方法があります。
五感を駆使したアービトラージ
一つ目の方法としては、自身の五感を駆使して取引を行う方法です。
この場合、アービトラージで行う判断や操作などの全てを、出来るだけ短時間で処理する能力が求められます。
イメージとしては、パソコンモニターをいくつも目の前に並べたデイトレーダーです。複数の取引所のチャートを監視して、価格差が出た取引所間で“購入”と“送金”と“売却”を、繰り返し行う事になります。
的確で正確な取引を行う事が出来れば、利益を全て自分のモノにする事が出来ますね。
ツール(ソフトウェア)を使ったアービトラージ
アービトラージで求められる的確な判断と正確な操作は、価格差が確認出来た瞬間に行う必要があります。
しかし、それらを自分自身で全て行うには、かなりの集中力と精神力が必要です。まして仮想通貨の取引は24時間365日休まずに行われているので、いつ価格差が生まれるか分からない状態では1年中休みなしで監視し続けなければなりません。
現実的には、無理がありますよね。そこで便利なのが、アービトラージを行うためのツール(ソフトウェア)です。
取引所間に生じる価格差の監視や売買をサポートしてくれるツールが存在します。ツールを利用する事で、時間的な拘束や瞬間的な判断、そして売買や送金操作などの負担をかなり軽減する事が出来るはずです。
例えば「WORLD TRADER(ワールドトレーダー)」というツールでは、アービトラージの機能を備えており、AIを使った全自動アービトラージツールも増えています。
「アービトラージツール」などで検索するとツール名やそれらを実際に使った情報も出てきます。また、取引まで自動で行なってくれるというツールも多数見かけますね。
ただし、”商材“としてのツールも多く、ツール自体の価格が数十万円というものまで存在します。
もちろん、アービトラージの手順をある程度自動的に行なってくれるツールですので、利用料金がかかる事は当然と考えられますが、“全自動”で“大きな利益”を得る事が出来て、それが“数十万円”で購入出来るツールが存在した場合、みんなが利用するはずです。
みんなが利用すると、取引所間の価格差は無くなってしまい、“大きな利益”どころか、アービトラージでは利益自体が得られなくなってしまいます。
早いうちにツールの利用を始めるというのも一つの手かもしれませんが、長期で安定して利益を得られるという保証が無い事は理解しておきましょう。
仮想通貨のアービトラージ(裁定取引)のリスク
コインの長期保有も無く、価格の上昇や下落にも左右されずに利益を得られる、低リスクなアービトラージですが、細かな手順や注意事項をチェックしておかなければ大きなリスクを伴います。
アービトラージをやるべきではないタイミングもあるのでしっかりチェックしましょう。
送金ミスに注意
アービトラージでは、頻繁に仮想通貨取引所間の送金を行います。安く購入した取引所から、高く売却出来る取引所への送金ですね。
送金を行うと言う事は、コインを安く購入し終えた状態です。
価格差があるうちに素早く送金処理を行う必要がありますが、その時に送金先のアドレスを間違ってしまうというミスは甚大なリスクとなります。
価格差が無くなってしまい利益が得られないのは勿論のこと、せっかく安く購入したコインを失ってしまう可能性が高いからです。
送金時のアドレス入力は基本的にコピー&ペーストで行うため入力ミスは無いと思いがちですが、そもそもコインの種類を間違っていたり、キチンとコピー出来ていなくて、前回コピーした別のアドレスをペースト(貼り付け)してしまう危険性もあります。
限られた時間の中での作業ですので、どうしても焦りが出てしまうのです。
チャートのチェックに時間を取られる
24時間365日、休みなく動き続ける仮想通貨の取引は、いつ“価格差”が発生するか分かりません。
アービトラージを主とした取引で利益を得る場合は、休みなくチャートのチェックを行わなければ機会損失となってしまうのです。
大袈裟に言えば人生の大半をチャートのチェックに費やす事になりかねません。僅かな利益のために膨大な時間を取られる、というリスクも考慮しなければならないのです。
手数料に注意
低額の元金でアービトラージを行う場合、注意しなければいけないのが“送金時の手数料”や“売買時の手数料”です。
アービトラージの利益幅は、元金に大きく左右されます。僅かな元金で、僅かな利益のためにアービトラージを行うと、送金手数料や売買手数料で損失を出してしまう危険性があります。
アービトラージを行う各仮想通貨取引所の手数料、そして各コインの送金手数料をしっかりと確認し、事前にしっかりと利益の算出をしておく事が重要です。
送金の遅延に注意
送金が速いと言われる仮想通貨ですが、世界の取引量が多くなると送金は遅延します。
仮想通貨市場で最も盛り上がった時期である2017年末から2018年始めには、ビットコインをはじめ主要なアルトコインでも甚大な送金遅延が発生しました。
取引量がそれほど多くない時期に数分で送金出来ていたモノが、24時間経っても送金が完了せず、不安になった人も多いのではないでしょうか。
このような遅延は、仮想通貨のアービトラージでは命取りです。
仮想通貨は僅か数分で暴騰や暴落が起こります。送金が遅延すると言う事は、当初見込んだ利幅での売却が出来なくなる事に直結してしまいますし、最悪の場合は損失となってしまいます。
ツールを使う場合はAPIの取り扱いにも注意
ツールを使ったアービトラージでは、取引のタイミングや売買なども自動的に行なってくれるという利点があります。
しかし、売買も自動的に行うと言う事は、仮想通貨取引所のAPIをツールに登録すると言う事であり、大まかに言うと“自身の資産を自由に取引出来る権限を他人に渡す”と言う事でもあるのです。
仮想通貨取引所から取得する“自分だけ”のAPIは、本当に信用出来る場所(ツールや他人)であっても、預ける事に細心の注意が必要となる“鍵”です。
万が一、APIの“鍵”が悪意ある人の手に渡った場合には、全資産を諦める覚悟を持つ必要があるほど重要なモノである事を理解しておきましょう。
仮想通貨の価格が安定すると利ざやは減る
端的に言えば、アービトラージも早い者勝ちです。
アービトラージツールなどが普及し、各取引所の取引量が一定になったり、仮想通貨の価格が安定してくると、取引所間の価格差も縮まりますので、利益は減ります。
世界中で仮想通貨の価格が平均化(安定)すると、アービトラージで利益を出すためには高額な元金を運用できる一部の人になるはずです。
ですので、アービトラージは半永久的に利益を出し続ける事が難しい手法である事も理解しておく必要があります。
利益幅は元金に左右される
アービトラージの利益幅は、元金に大きく左右されます。これは、普段の仮想通貨取引でも同じ事ですね。
沢山の資金で仕込める人は、多少の値動きで大きな利益を得る事が出来ます。特にアービトラージでは、僅かな価格差を取引対象としますので、その差は顕著に現れます。
あまりにも元金が少額過ぎると、諸々の手数料で損失が出てしまう場合もありますので注意が必要です。
仮想通貨のアービットラージの基本情報・やり方・リスクを解説 〜まとめ〜
アービトラージは、ボラリティが高い仮想通貨の相場でこそ大きな利益を見込める手法でもあります。
各仮想通貨取引所の取引量の差を見極めれば、価格差が出た際には少額でもそこそこの利益が見込める場合もあるのです。
しかし、手法が分かったからと言って、直ぐに大きな利益を見込めるかと言えば、そうではありません。やり方は簡単ですが、時間と精神力と集中力を駆使して、更にはコントロール出来ない送金時間まで考慮しなければなりません。
アービトラージなら99%儲けられるという謳い文句は嘘ではありません。ただし”理論上“という事を念頭におく必要があります。
これらをしっかりと理解した上でアービトラージを行う場合は次のような事から始めてはいかがでしょうか。
- アービトラージの手順が身につくまで少額で試す
- 全体的なイメージが分かったら、各取引所やコインの手数料を把握する
- 自身でやり易いシナリオ(操作手順)を創り、実践する
- 手動でのアービトラージが身についたら、気になるツールの仕組みが自分のやり方に合っているかを確かめてから、試してみる
仮想通貨全体の価格が下落し、法整備も徐々に進みつつある市場の中でも、仮想通貨取引所は増え続けています。仮想通貨取引所が増えていると言う事は、アービトラージのチャンスを見出す事が出来るかもしれません。
アービトラージに興味がある人は、一度少額で試してみる事で、資産運用の手段の一つとなり得るかもしれませんね。
※仮想通貨取引所の利用、また仮想通貨取引では、リスクを伴うことがあります。これらリスクを自分自身でしっかりと把握した上で、無理のない資金で取引を行うことが大切です。自身でリスク管理をしっかりと行いましょう。
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